☆昨年に続き中国で本格的な「礒谷療法講習会」を開催
ご報告が遅くなりましたが、礒谷療法の本格的な講習会が昨年に続き中国本土で開催された事をお知らせします。
2015年6月1日~3日の3日間、中国・上海において、中国の「全国脊柱健康学術委員会」「全国中医養生専門委員会」の招きにより、私達礒谷療法を中国の整体実践家に伝授するための集中的な実践講習会を開きました。昨年も中国・杭州市において3日間の「礒谷療法講習会」を開きましたが、それが好評だったことを受け、今回の講習会招聘に至ったわけです。
今回招聘してくださった両組織は、中国医学、日本で言えば”漢方医”の組織です。中国医学は中国では西洋医学と同程度の評価を受けていることは今では広く知られていますが、このような”権威ある組織”から私達礒谷式力学療法が評価され、招聘されたことは長年にわたる礒谷療法の実績、前回の講習会内容が評価されてのことだったのかな、と考えています。
礒谷療法講習会の詳細については、後で詳しく報告しますが、この講習会の中国側参加者が40名を超えたことをまず最初にお知らせします。
私達礒谷療法は、礒谷圭秀院長、小林哲也准教範の2名が講習会の指導にあたり実りある会になったと確信しています。
☆世界経済の中心地に成長した上海
今や世界経済の中心地に成長した上海は、超高層ビジネスビルが林立し、現在も発展を続けています。人口は1400万人ですが、常住人目は2400万人ともいわれ、文字通り世界一の大都市です。
金融・工業・商業において、今や也界経済を牽引するまでになり、上海経済の動向が世界経済の浮沈を左右するまでになってします。日本人ビジネスマンも5万人以上駐在しているといわれ、日本経済にとってももっとも重要な都市になっています。
一方、上海は古くから知られた観光の街でもあります、上海でもっとも古い繁華街の南京東路・西路は今も国内外の観洗客集めていますし、黄浦江沿いに広がる旧疎祖界地の外灘(バンド)は19世紀の華やかな文化を今に伝え、独特の雰囲気がある街になっています。魯迅や内山書店人など日本に関係の深い史跡なども健在なので、日本からも多くの観光客が訪れています。
また開発が進み超高層オフィスビルが林立する浦東地区は、上海のシンボルタワーになっている「東方明珠塔」、観光名所にもなっている「上海環球金融中心」など、展望台を備えた超高層ビルが数多くあり、上海の繁栄を誇示しているようです。市内は縦横に地下鉄が走り、市街地は大きく大きく成長を遂げ、上海の底力は嫌でも実感せざるを得ません
ただし、大気汚染などの環境問題は想像を越える酷さです。空には常に薄もやがかかり、道路に立てば、道路反対側のビルがかすんで見えないほどです。私たちもマスクを用意レていったのですが、上海人はほとんどマスクをしていないことは驚きでした。
☆講習会参加者は40人以上
講習会会場は上海中心部長寿路沿いにある「源達ビジネスビル」35階の会議室で開催されました。
会期は前述したように、6月1日~3日の3日間。時間はAM9時~PM5時までの8時間。途中1時間の昼食休憩があるとはいえ、1日7時間の講習会となりました。当初は50人以上の参加者があるはずでしたが、昨今の日中間の政治的緊張により、参加者は減ってしまったとのことです。国際政冶の難しさを実感させられた一瞬でした。
それでも、講習会参加者は濃密な講習会内容に苦労しながらも真剣に取り組んでくれていたのは大いなる喜びでした。
指導する礒谷、小林両先生は全身全霊をかけて講習会に臨みました。実際問題として、講習会参加者の皆様は、疲れてくると講習会会場を抜け出し、適当に休みを取っていたようですが、指導する両先生はサボるわけにはいかないので、そのような意味でも大変なのでした。
当日の参加者の皆様は中国整体の先生方がほとんどですが、漢方医だけでなく西洋医学の医師も参加していたことが印象的でした。日本の一民間療法である礒谷療法に偏見なく接してくださる態度には感服しました。後で話を聞くと「良い療法には国も制度も関係ない。良い療法を学ぶことは当たり前のことです」と言っていました。
☆改めて海外活動の難しさを知る
前回の中国講習会はハプニングの連続でした。
というのは、中国の主催者は実際の礒谷療法に触れていなかったので、礒谷療法で使用するマット・座布団・枕がどういうものか分からなかったのです。もちろん、事前にマット・座布団・枕の重要性を中国側主催者に知らせてあったのですが礒谷療法で使用する実物を知らないものですから、とんでもない物を用意していたのでした。
今回はその経験を生かし、マットはヨーガ用の物を用意してもらいました。座布団は、日本ならば家庭用の座布団で何とか代用できるのですが、中国ではそうはいきま廿ん。中国の座布団は一般的に薄いですし、何よりも表地がツルツルしているので、積み重ねで使用する礒谷療法には適しません。事前に綿密な打ち合わせと要望を出しておいたのですが、それでもこちらが希望する座布団は用意されていませんてした。
私たちはそのことも予測していたので、何とか工夫を重ねて対処することができました。礒谷院長、小林先生の経験があればこそ、何とか乗り切れたのだと思います。
☆ハプニング続出も楽しもう?!
実際に講習会が始まると、思わぬ事態が続出しました。2日目、3日目には「無関係の人」たちが押しかけてきたのです。評判を聞き付けて来た人、講習会参加者に誘われた人、あるいは講習会参加者が自分の患者さんを連れてやって来たようです。講習会参加者の人が実際に礒谷療法に触れてみて、礒谷療法の効果を知ったことによる行動なので、その意味では私たちにとって嬉しいことなのですが溝習会現場は混乱してしまいました。
新来の参加者の望みは礒谷療法を受けたいということです。言ってみれば、患者の感覚でやってくるのです。しかし今回の講習会は整体の専門家への礒谷療法への伝授が目的です。講習会主催者は、来場した人たちに礒谷療法施術をしてくださいと言います。言葉の問題もあり、私たちにはどの人が講習会参加者なのか分からないのです。
通訳の方もいたのですが一人しかいないので大勢の参加者とは意志疎通が十分とは言えませんでした。通訳の問題も大変でした。通訳の方は医学用語がよく理解できていませんでした。
「外旋、内旋」「大腿二頭筋」など必要な単語がうまく通訳できないのです。それでも何とか、多くの人の要望をさばき、講習会を無事に終了することができたのは、礒谷・小林両先生の経験によるものだと考えています。海外での講習会やセミナーではどうしても思いもしないハプニングが続出します。そのハプニングを楽しむ(?)ことが海外での講習会・セミナー成功のために必要なことなのでしょう。
☆講習会の内容
講習会の内容については詳細をお知らせするスペースは本欄ではありませんが、私たちの狙いは「治療現場で礒谷療法を生かす」ということでした。
1日目、2日目、3日目とカリキュラムは用意していったのですが、現場で大きく変更しました。礒谷療法を生かすためには、絶対に「足型判定の正確さ」が必要です。その点に目標を定めて徹底したのでした。
今回の講習会の題目が「礒谷療法基礎講習会」でしたので、「足型判定」とそれに続く「礒谷療法施術」のみに絞りました。礒谷療法の要である「座布団矯正」は前述したように中国製座布団の問題、講習会時間の問題により省きました。
中国の先生方が、整体の現場で少しで礒谷療法を使えるようにすることを講習会の目的としました。
そのためには徹庇的に「足型判定法」にこだわりました。ところが、問題が発生しました。「足型判定法」は地味な勉強ですので、参加者の多くが‘飽きてくるのです。もっと”派手な”ことを教えてくれという要望が出てきました。
日本ならばこのような要望は思っても主張しないものですが、中国ではそうではありません。ここでもお国柄の違いを実感させられました。講習会参加者の希望に応え、それでも私たちの狙いを通すという作業は異国での講習会・セでナーでは避けて通れないということを改めて実感しました。
☆講習会参加者の反応は上々
講習会は礒谷院長による「礒谷療法理論の解説」から始まったのですが、礒谷理論そのものがあまり知られていない中国だけに、その反応は大きなものかありました。
「これは素晴らしい」「この理論は斬新で正しい」「今までの疑問が解けた」というものから「これは世界一の療法だ」といささか大袈裟なほめ言葉もありました。主催者によれば、中国人はあまりお世辞など言わないので本当の気持ちなのだと言います。
しかし中には「信じられない」「どうしてそうなるのか」という否定的(?)な意見もありました。このような方々の疑問に真摯に答えることも今後の礒谷療法にとって必要なことだと考えています。
礒谷院長の講演中にも質問が続出し、質疑応答も活発に行われ、今までの講演には無い雰囲気でした。中国本土での礒谷療法のインパクトがいかに強いかの証明だと思われます。
☆礒谷療法の神髄に触れ会場は熱気に包まれる
礒谷療法施術のパフォーマンスが行われると、会場の雰囲気はさらにヒートアップしました。中国人だけに反応は日本人とは桁違いです。モデルとして礒谷施術を受けた人が、大きな声で「腰の痛みが消えたぞ」と叫ぶように言うと、会場内は拍手喝采の大盛り上がりです。
それは良いのですが、中国人の特性として自分もやりたいのです。参加者の全員が次々と礒谷療法施術にチャレンジするため、会場の規律を回復することと、講習会の段取りを戻すことに悪戦苦闘しました。それでも、今回の講習会参加者は皆整体の専門家ですし、意欲的に取り組んだこともあり、それなりの成果を得たようです。
何よりも、参加者の多くが礒谷療法を評価し、真剣に学ぼうと思っている姿に接したことが最大の収穫でした。
☆パーティも催される
6月1日~3日の3日間に「礒谷式力学療法講習会」が開かれたのですが、2日目には講習会参加者全員が参加したパーティーが開かれました。
このパーティーには来賓として中国の大学教授、大治療院のオーナ-、高名な整体専門家なども出席されていましたが、主賓は礒谷院長です。
礒谷院長のあいさつが終わり座席に着くと、多くの方々が院長の座席近くこ殺到し、質問、あいさつを次々に述べます。またカメラ、ビデオでの記念撮影を望み、一時は収拾がつかなくなるほどでした。
「人気抜群ですね」とは主催者の方の言葉ですが、人気はともかくとして、中国人の方々が礒谷療法に深い関心を寄せていてくれたことは実感できました。
さらに礒谷療法の実演を望む声も多数寄せられましたが、時間の都合で断らざるを得ないことは残念でした。
☆礒谷院長の感想
昨年に続き二度目の中国本土での本格的講習会でしたので、緊張感をもって臨みました。事前に伝えていたにもがかわらず、マットや座布団の準備不足などハプニングの連続でした。
大変なことがたくさんあった中国行きでしたが、終わった今、行って良かったと本当に思います。1日8時間の講習会は正直しんどい思いもありますが、それ以上の喜びを得た今回の講習会でした。
講習会参加者の皆様の願い、思い、礒谷療法に対する期待をひしひしと感じることができ、それに応えられた充実感があるからだと思います。中国人参加者の多くは整体専門家でしたので、礒谷療法施術をみるみる吸収してくれたと感じられたかもしれません。
正直なところ、中国に行く前は現在の日中関係から不安な気持ちがありました。行ってみると[良い治療は国を越えて認める]という中国側の言葉を戴きました。その意味では、中国本土に礒谷療法の橋頭壁を築くことができたのではないかという気持ちはあります。
☆小林先生の感想
予想以上の講習会参加者、そしてその人々の熱気がもろに感じられた3日間でした。1日8時間、3日間の講習会は正直かなりタフな日程でしたが、中国人参加者の熱意が疲れを忘れさせてくれました。
参加者の多くは整体専門家でしたので、質問もかなり突っ込んだものが多くあり、緊張感ある講習会でした。日本では考えられないパフォーマンス性に満ちた講習会になり、大きな盛り上がりをみせ終了したことは良かったと思います。
私個人としても、施術、礒谷療法解説にそれなりの役割を果たし、充実した時間をおくれました。中国本土の人々の礒谷療法への関心度の高さ、あるいは期待の高さを改めて実感できた3日間でした。
私たち礒谷療法総本部が今後中国本土で何を行うか、この責任の重さを実感します。期待の大きさ、責任の重さに応えられるように日々精進しなければという思いを改めて強くした中国行きでした。
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