☆韓国全州に在るウースク大学
ウースク(又石)大学は、韓国全羅北道州都の全州(チョンジュ)にある総合大学で、この大学の代替医療学部より招かれ、礒谷療法のセミナーを行いました。
全州(チョンジュ)は全羅北道の州都であり、行政・文化・経済・教育の中心都市で人口は60万人を越えている韓国第4の大都市です。首都ソウルからは南に230キロも離れていることもあり、多くの日本人には馴染みのない都市ですが、韓国好きの日本人にとっては魅力あふれた街です。
チョンジュは別名“韓国の奈良”とも呼ばれる「歴史の街」として知られていますが、同時にビビンバ、コンナムルクッパなど韓国の名物料理発祥の地としても有名です。
チョンジュ、あるいは周辺には韓国の歴史を感じられる名所・旧跡は数多くありますが、なかでも必見の名所が「全州韓屋村(ハノケマウル)」です。
約700年前の韓国伝統家屋が保存されています。村の中には伝統家屋のほか、生活体験館、伝統工芸品展示館、全州伝統韓紙院などの文化施設が点在し、さらに伝統土産店、伝統茶店、伝統料理店なども多くあり、観光客には楽しい名所となっています。
ウースク大学は、チョンジュの町中を離れた郊外にあり、周辺に田園風景が広がる広大な敷地を有する総合大学です。
☆遥か遠い地だったチョンジュ
チョンジュには日本からの直行便はありません。それどころか首都ソウルからの飛行機便もありません。したがってチョンジュに行くには新幹線か、長距離バスを利用するしかありません。
新幹線だと約2時間、長距離バスだと4時間の行程です。新幹線を利用するにはソウル中心地にあるソウル駅まで移動しなければなりませんので、私たち一行はソウル金浦空港からの長距離バスでチョンジュに向かいました。
羽田出発から7時間後、無事チョンジュに到着しましたが、“チョンジュは遠い”というのが正直な感想でした。夕食後の夜、ホテルに到着したのですが、そこは前に触れた「全州韓屋村(ハノケマウル)」内にある伝統家屋でした。日本でいう“民宿”のようなホテルと考えてもらえばよいと思います。
床一面にオンドルがある伝統的な民家で、趣はあり興味深かったのですが、ホテルとしての快適性には欠け、「観光で泊まるには面白いが、仕事では…」というのが、院長先生以下の正直な感想でした。
☆韓国・ウースク大学代替医療学部で集中セミナー
今回のメインは、ウースク(又石)大学代替医療学科での「礒谷療法セミナー」で、2013年5月14~16日の3日間に集中セミナーとして行われました。
広大な大学敷地の奥深くにある代替医療学科で、最初にサン・ヨン主任教授からていねいなご挨拶を受けました。14日午前9時、代替医療学科中教室で「礒谷療法理論」の講義が始まりました。
日本からはパワーポイントを持参してビジュアルを重視したのですが、画面の文字が韓国語でないため、一抹の不安を感じながらのスタートです。
実際に講義スタート直後はなかなか意思の疎通がはかれず、手探りの状態で講義は進みました。それでも、講義開始30分ごろからは、学生たちの反応はみるみるうちに変わってきました。
外国での講演活動が多い礒谷院長の経験が生きていたのだと思われます。
☆礒谷セミナーの内容
ウースク大学での「礒谷療法セミナー」は3日間にわたって行われました。時間は朝の9時から12時20分まで、午前2コマ(1コマ1時間半)の講義と考えると分かりやすいと思います。
初日は「礒谷療法理論」を中心にした座学。2日目は実践的な礒谷療法施術。3日目は学生たちの足型診断、並びに礒谷施術の体験を行いました。
初日の聴講学生数は、講義の初めは35人ほどだったのですが、講義が進むうちにどんどん増え、優に50人は越えました。日本から50冊の韓国語テキストを持参したのですが、途中でなくなってしまうほどで、1冊を何人かで回し読みするような状況でした。
途中では椅子も足りなくなり、立ち見で講義を受けるほどの盛況で、これにはサン・ヨン主任教授を始め、大学関係者も驚いていました。
☆他学科の先生たちも多数参加
礒谷療法セミナーには、学生たちばかりか他学科の教授、準教授たちも多数参加されていました。東洋医学、解剖学、漢方、カイロの先生たちです。
これらの先生たちにとって「礒谷療法」はよほど“刺激的”だったようで、なかには3日間を通して参加された先生がいたほどです。2日目からはビデオ、カメラを持参し、熱心に質問をする先生もおり、礒谷療法の「科学性」が認識されたと、礒谷院長も熱心に指導を行いました。
これらの先生たちは、今回のセミナーが行われるまで礒谷療法の存在を知らなかった方々がほとんどです。しかし、さすがにIT大国韓国です。今回礒谷セミナーが開催することを知るや、熱心にインターネットで情報収集を始めたといいます。そこで礒谷療法に興味を持ち、セミナーに参加されたのですが、この先生たちの期待に背かなかったことは良かったと考えています。
☆セミナー参加者の反応
正直はところ、ウースク大学代替医療学部の学生たちは“今時の若者”です。講義の途中で席を立ったり、出たり入ったりする学生も少なからずいました。それもあり、セミナー出席者の正確な人数は把握できませんでした。
とくに“座学”は退屈だったようで、出入りが激しい1日でした。この座学は大学当局の要請で、1日しっかり「理論編」を行って欲しいとのことなので、仕方がない事態だったと考えています。
2日目に“実践編”に入ると、学生たちの目の色が変わってきました。“真面目な”学生は積極的に質問し、実技にもチャレンジしたがります。
実技を行う条件は悪かったのですが、それでも施術効果を目の当たりにすると、学生たちは「オォー」と歓声をあげます。
言葉の問題もあり、困難なセミナーでしたが、それでも「礒谷療法」を少しでも理解してもらえたと実感できるセミナーになりました。とくに、学生だけでなく、多くの現役の先生たちに礒谷療法を“実感”してもらえたことは良かったと思います。
☆午後にもセミナー
実のところ、今回の韓国行きはウースク大学での「礒谷療法セミナー」だけではありませんでした。ウースク大学でのセミナー終了後の午後になると、チョンジュ街中にあるヨガ道場での「礒谷セミナー・施術会」の日程が組まれていました。
ヨガ道場を借り切って、礒谷療法を学びたいという韓国内の整体師、漢方医、カイロの先生たちを集めたセミナーを行ったのです。
セミナー参加者は約10名で、ソウルや光州などからの参加者もいました。これらの方々は現役の整体師ですから“体の触り方”には慣れているうえに、礒谷療法の理解もかなり進んでいる方々ですので、セミナーは順調に進みました。
とはいえ、礒谷療法の施術は一朝一夕にできるものではありません。せめて足型診断だけでもできるようにと、懸命な努力を続けた結果、ある程度の成果は上げることができたと思います。
これは、礒谷院長の熱のこもった指導もありますが、何よりもセミナー参加者の「礒谷療法を身につけたい」という必死の願いがあったからだと思われます。
☆指導は礒谷院長・小林先生
遅くなりましたが、今回の韓国セミナーの指導教官の紹介をします。
主任教官としては礒谷院長。補佐を行う教官として小林先生の2名が派遣されました。礒谷院長と小林先生のコンビは、国内外の多くのセミナーを行ってきた実績がありますので、息の合った指導ぶりが好評です。
実は今回の韓国行きは、この絶妙コンビでなければ大変なことになっていたかもしれません。というのも、午後のセミナーは午後2時頃から始まり、終了は夜の10時過ぎという結果になってしまったのでした。
チョンジュに着いたのは、ウースク大学セミナーが始まる14日日の前日の13日で、ホテルは前述した「全州韓屋村(ハノケマウル)」の古民家ホテルだったのですが、到着した夕刻には“施術希望者”が訪れてきました。
この方々の施術が終了したのが夜の10時半。結局チョンジュ滞在中は毎日、朝の9時から夜の10時過ぎまで、指導に明け暮れていたことになります。そのため、全州韓屋村という観光名所にいながら、一度も見学をする機会がありませんでした。
このような強行日程を消化できたのは、院長・小林のコンビだったからと考えています。
☆次々に訪れた施術希望者
実は施術を行うことは、当初は“時間が余ったら”という軽い気持ちだったのでした。ところが実際に施術を行うと「どうしても治してあげたい」という院長の強い気持ちが全面に出てしまいます。“手を抜く”ことはどうしてもできません。そのため、どうしても時間がかかってしまうわけです。
一生懸命に礒谷療法施術を行うと必然的に結果が出ます。その噂を聞き付けて、1日目より2日目、2日目より3日目と、どんどん施術希望者が増えてきてしまったのでした。結果的には、3日間(1日目は夜だけ)で、計40人近い方の施術を行うことになりました。さすがに両先生もフラフラですが、施術希望者の喜ぶ顔を見ると、疲れも飛んでしまうということでした。
肉体的にも精神的にもハードな今回の韓国行きでしたが、ソウルでないチョンジュという地方都市で礒谷療法のデモンストレーションができたことは、良い経験になりましたし、貴重な時間を持てたと思います。
◎礒谷院長の感想
チョンジュという韓国の地方都市でのセミナーは、今までにない貴重な経験を得ることができました。ウースク大学での講義は言葉の問題もあり、同時に大学当局の要望・期待が十分理解できず、手探りのままセミナーが進んでしまったという部分がありました。
それでも、セミナー参加者の反応を見ながら講義を進めた結果、礒谷療法への理解はそれなりに得られたと思います。セミナー参加の学生たちの反応が徐々に変わってきたことを実感できたことは良かったと考えています。また、今回のセミナーには関係のない他学科の先生たちが数多く参加してくれたのですが、その先生たちが礒谷療法に興味をもってくれ、理解を深めてくれたことも大きな成果だと思います。
午後に行われた一般の整体師向けのセミナーは、施術数も多く大変でしたが、礒谷療法施術の“実力”を知らしめたという点では良かったと考えています。それにしても、精神的にも肉体的にもかなりハードな韓国行きでしたが、少しでも礒谷療法を知ってもらいたい、理解してもらいたいという私の願いが多少でも実現できたと実感できましたので、その意味では意義あるセミナーだったと確信しています。
☆小林先生の感想
チョンジュという名前も知らなかった韓国の地方都市でのセミナーは、期待半分、不安半分のスタートでした。チョンジュという地理的な問題だけでなく、かなり急なセミナー決定だったので(セミナーの時期はともかく、セミナー内容の詳細は直前まで明確でなかったので)、事前の準備が十分できなかったからです。
案の定というか、チョンジュについてからもスケジュールは二転三転します。ウースク大学でのセミナー初日は急遽、座学中心という要望があったり、午後のセミナーは、施術会と“合同”になったりと、ある意味“てんやわんや”の状態に陥りました。それでも、何とか対応でき、セミナー参加者、施術希望者の喜んだ顔を見ることができ、韓国に来て良かったと実感できたことは大きな成果だと思います。
私は初めて韓国の地を訪れたのですが、チョンジュは韓国の古都と聞いていたので内心楽しみにしていました。ところがスケジュール過密でどこも観光できず、少し残念な気もしましたが、帰途のソウルを少し観光できたので韓国を多少ですが“実感”できたことは、良かった考えています。
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